レガシー論文

【Psycholo Mag Vol.427】レガシー論文

おはようございます。Psycholo Mag Vol.427『レガシー論文』へようこそ。

心理学の世界には、発表された当時は革新的であり、今なお研究の礎となっている傑作群があります。本号では、そうした時代を超越した5つの論文をご紹介します。

自殺予防の手がかりを探る『心理学的剖検研究』から、禁煙成功の段階的プロセスを明らかにした『変化のステージモデル』、権力が認知に及ぼす意外な影響『権力と視点喪失』、学習効果を最大化する『認知負荷理論』、そして統計分析の落とし穴を指摘した『偽陽性問題』まで——いずれも、当時の研究コミュニティに波紋を広げ、その後の無数の研究を触発してきた秀作ばかりです。

往年の名著を通じて、心理学がいかに進化を遂げてきたか。その軌跡を一緒にたどってみませんか。

Psychological autopsy studies of suicide: a systematic review

J. T. O. CAVANAGH, A. J. CARSON, M. SHARPE, S. M. LAWRIE

CAVANAGH, J. T. O., CARSON, A. J., SHARPE, M., & LAWRIE, S. M. (2003). Psychological autopsy studies of suicide: a systematic review. Psychological Medicine, 33(3), 395-405. https://doi.org/10.1017/s0033291702006943.

この論文は、自殺の原因を調べるための「心理学的剖検」という研究方法を使った76の研究をまとめたものです。心理学的剖検とは、自殺した人の生前の医療記録や家族への聞き取り調査などを詳しく調べて、どのような要因が自殺に至ったのかを探る方法です。研究の結果、自殺した人の91%が何らかの精……

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Stages and processes of self-change of smoking: Toward an integrative model of change.

James O. Prochaska, Carlo C. DiClemente

Prochaska, J. O., & DiClemente, C. C. (1983). Stages and processes of self-change of smoking: Toward an integrative model of change.. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 51(3), 390-395. https://doi.org/10.1037/0022-006x.51.3.390.

この論文は、喫煙をやめようとしている人たちがどのようなプロセスを経て行動を変えていくのかを調べた研究です。平均年齢40歳の872人を対象に、彼らの喫煙習慣の変化を追跡しました。研究者たちは、人が悪い習慣をやめるときには5つの段階を経ることを発見しました。最初は変化を考えていない段……

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Power and Perspectives Not Taken

Adam D. Galinsky, Joe C. Magee, M. Ena Inesi, Deborah H Gruenfeld

Galinsky, A. D., Magee, J. C., Inesi, M. E., & Gruenfeld, D. H. (2006). Power and Perspectives Not Taken. Psychological Science, 17(12), 1068-1074. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2006.01824.x.

この研究は、権力を持つ人ほど他者の視点を理解しにくくなるという現象を調べた論文です。4つの実験と1つの相関研究を通じて、以下のことが明らかになりました。まず、権力を感じている人は、他者がどう見えるかを考えずに自分中心的な判断をしてしまいます。次に、権力がある人は、他者が自分と同じ……

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Cognitive Architecture and Instructional Design

John Sweller, Jeroen J. G. van Merrienboer, Fred G. W. C. Paas

Sweller, J., van Merrienboer, J. J. G., & Paas, F. G. W. C. (1998). Cognitive Architecture and Instructional Design. Educational Psychology Review, 10(3), 251-296. https://doi.org/10.1023/a:1022193728205.

この論文は、認知負荷理論(Cognitive Load Theory)という学習科学の重要な理論について説明しています。人間の脳には、情報を一時的に保持する「ワーキングメモリ」と、知識を長期的に保存する「長期記憶」があります。この論文の主な主張は、効果的な学習には、ワーキングメモ……

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The Continuing Problem of False Positives in Repeated Measures ANOVA in Psychophysiology: A Multivariate Solution

Michael W. Vasey, Julian F. Thayer

Vasey, M. W., & Thayer, J. F. (1987). The Continuing Problem of False Positives in Repeated Measures ANOVA in Psychophysiology: A Multivariate Solution. Psychophysiology, 24(4), 479-486. https://doi.org/10.1111/j.1469-8986.1987.tb00324.x.

この論文は、心理生理学の研究でよく使われる統計分析方法に潜む問題について指摘しています。具体的には、「反復測定分散分析」という同じ人に何度も測定を繰り返す場合の統計検定に、多くの研究者が見落としている落とし穴があることを説明しています。従来の方法を使うと、本当は存在しない効果を「……

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